業務内容 公認会計士・税理士と司法書士による相続手続き

電子帳簿保存について

2023/04/25
電子帳簿保存について

2023年04月25日発行

当初、2022年1月より適用されるはずだった電子帳簿保存法の改正内容ですが、システムの導入や社内体制の整備が間に合わないという声を受け、適用開始まで2年間の猶予期間が設けられました。

いよいよ、2024年1月より開始される予定となっています。

<電子帳簿保存法とは>

電子帳簿保存法とは、領収書、請求書などの書類を紙ではなく、データで保存する方法を定めた法律です。

従来は、これらの書類は紙で保存することが求められていましたが、一定の要件のもとにデータでの保存が認められることとなるとともに、一部の取引についてはデータでの保存が義務付けられることとなります。

<保存すべき書類の書類>

保存する書類は、大きく3つの種類に分けられています。

①電子帳簿等保存

・・・会計ソフトで作成した決算書(貸借対照表、損益計算書)や、総勘定元帳、仕訳帳、売上帳、などの帳簿書類のデータでの保存

この電子帳簿等保存については、義務ではなく任意です。

そのため、従来通り紙で印刷して保存、でも問題ありませんが、一定の要件を満たしていれば、データのまま保存することも認められています。

②スキャナ保存

・・・紙で受け取った請求書などのスキャニングした画像データでの保存

このスキャナ保存についても、義務ではなく任意です。

紙で受領した請求書、領収書などは、紙のまま保存しても問題ありませんが、スキャニングしてデータで保存することも認められています。

ただし、データ化した資料を適当にPC上に保管してあれば良いわけではなく、資料を受領してから決められた期間内にスキャニングすることや、一定のルールの下に検索できるようにしておくなど、適用のための要件を満たす必要があります。

③電子取引データ保存

PDFでメール添付などでやり取りしていた請求書などのデータでの保存

こちらは、任意ではなく、義務です。(全ての法人・個人事業主が対象)

契約書、請求書、領収書などの書類をメール添付で受け取った場合や、領収書をインターネット上でダウンロードして受領した場合などは紙で印刷して保存するのではなく、データで保存する必要があります。

こちらも、日付、取引相手、金額、などで検索できるようにして保存をしておく必要があります。

(例)2023年4月1日に受領した、㈱××商事からの請求書、金額が税込33,000円

・・・ 保存するファイル名を「20230401_㈱××商事_33000」などとつけて保存する。

もしくはエクセル等で索引簿を作成し、ファイルと関連付けて検索できるようにしておく方法も考えられます。

<まとめ>

・決算書等の帳簿書類 ・・・ 印刷して紙で保存でOK。データで保存もOK。

・紙で受領した請求書等 ・・・ 紙で保存でOK。スキャニングしてデータで保存もOK。

・データで受領した請求書等 ・・・ データで保存しないとダメ。

国税庁のHPでは、電子帳簿等保存制度の特設サイトが設けられており、各種規定のサンプルなどをダウンロードすることが可能です。

なお、令和5年度の税制改正でも、各種要件の緩和等の改正項目が盛り込まれています。今後もまだ、細かな要件等が変更されていくことも予想されますので、最新の情報に注目しつつ、来年の適用開始に向け、整備を進めていただくことをご検討いただければと思います。