業務内容 公認会計士・税理士と司法書士による相続手続き

【令和8年度税制改正大綱】

2025/12/25
【令和8年度税制改正大綱】

2025年12月25日発行

以下は、2025年12月19日に発表された「令和8年度税制改正大綱(2026年度税制改正大綱)」の実務上重要な要点を、法人・個人・資産税・中小企業・資産形成の視点から整理したものです(与党税制改正大綱に基づく内容。今後法案審議で変更の可能性あり

1.個人所得税・控除制度の見直し(年収の壁・控除引上げ)

年収の壁の引上げ(控除引上げ)

  • 所得税の基礎控除が現行58万円→62万円へ引上げ。給与所得控除の最低保障額も増額されます。これにより、非課税ラインおよび年収の壁(現行約160万円)が約178万円へ実質的に引き上げられる方向性が示されています(令和8・9年の適用時限措置)
  • 配偶者控除・扶養控除等の所得要件も連動して見直しが進められています(個人消費税負担の軽減と働き方の実態を踏まえた調整)

2.資産形成・金融取引関連の拡充

NISA(少額投資非課税制度)の拡大

  • NISAの対象年齢を下げ、18歳未満にも非課税投資枠を新たに設定するなど、若年層の投資促進を図る改正が盛り込まれています。年間60万円・非課税保有限度額600万円などの枠拡充が予定されています(年齢層拡大)

暗号資産(仮想通貨)の課税見直し

  • 現行の総合課税(最大55%)から20%の申告分離課税へ変更し、損失の3年間繰越控除を可能とする制度への移行案が提示されています(所得区分の明確化と投資環境整備)

3.住宅関連税制(住宅ローン控除等)

住宅ローン控除の延長・拡充

  • 住宅ローン控除の適用期限が延長され、省エネ基準適合の中古住宅についても新築同様の控除が適用される枠組みが導入されます。加えて、子育て世帯に対して上乗せ措置も拡大される方針です(住宅取得・省エネ住宅支援)

4.法人課税・企業支援(設備投資・賃上げ等)

設備投資促進税制

  • 税制改正大綱では、「特定生産性向上設備等投資促進税制」が創設され、大規模な設備投資に対し、即時償却または税額控除(最大7%/建物等は4%)の選択適用が可能となる案が示されています。控除対象資産の範囲が広く、建物・ソフトウェアも含まれるため、設備投資判断に直結する優遇税制として注目されます(法人投資促進措置)

中小企業向け投資関連

  • 少額減価償却資産の損金算入特例の基準が30万円→40万円未満へ引上げなど、インフレ等を踏まえた調整が行われます(法人実務上の経費処理)

5.賃上げ促進税制の見直し

企業規模別の見直し

  • 大企業向け賃上げ促進税制は廃止方向へ(制度の前倒し廃止)
  • 中堅企業については要件の厳格化が行われ、賃上げ率・税額控除率の見直し
  • 中小企業向けは現行の税制支援が維持されます(企業の規模に応じた支援体系の再構築)

6.事業承継・相続税制

事業承継税制の延長

  • 事業承継税制に係る特例承継計画の期限延長や、多様な資産の譲渡所得特例、農地・医療法人向け納税猶予の制度延長が盛り込まれています(承継税制の安定化)

7.その他の実務的影響

インボイス制度・消費税

  • インボイス制度に係る経過措置の見直しが行われます。小規模事業者向けの対応要件の変更や経過措置延長の調整などが提示されています(消費税実務)

福利厚生・経費基準の見直し

  • 従業員への食事支給額や福利厚生に係る非課税基準の引上げ、中小企業の少額資産特例など、インフレ対応の給与・福利厚生基準が調整されています(経理・給与計算実務)

【留意事項】

  • 大綱のため、今後法案審議で変更の可能性があります。
  • 各適用時期などの詳細は、大綱をご確認ください。

【参考資料】

令和8年度税制改正大綱

https://storage2.jimin.jp/pdf/news/policy/212129_1.pdf