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アンサーズ通信 vol.1 不動産オーナーの節税は法人化で乗り切る!

2013/01/09
アンサーズ通信 vol.1 不動産オーナーの節税は法人化で乗り切る!

2013年01月09日発行

不動産オーナーの節税は法人化で乗り切る! 知って得する不動産管理会社の活用ポイント
不動産オーナーの税金対策に、不動産管理会社の活用があります。不動産管理会社というと自身の賃貸物件を管理させる名目で設立する「管理型法人」が従来から広く行われてきましたが、ここでは、賃貸物件を自ら所有する「所有型法人」の仕組みを紹介します。

所有型不動産管理会社の仕組み

不動産オーナーが個人で土地と賃貸建物を所有している場合には、その賃貸物件に関するすべての収入が不動産所得として所得税がかかります。そのため、オーナーの税金の負担は重くなります。
そこで、オーナーが所有する賃貸物件の建物だけを「管理会社」に売却します。この時、管理会社の株主は相続対策の観点から、オーナーの子供とし、建物を管理会社に売却する際の売買価格は、建物の簿価(減価償却後の未償却残高)とします。
このことで、建物は管理会社の所有になります。そうすると、賃貸物件の売上げは、オーナー個人ではなく、管理会社の所得になります。そして、この管理会社の所得の一部で、役員に就任しているオーナーの子供に対して役員報酬を支払います。

不動産オーナーのメリットは3つ

所有型不動産管理会社の不動産オーナーのメリットは、次の3つです。
①まず、所得分散効果があります。所得税は、所得金額に応じて税率が15%~50%で適用されます。そのため、オーナー個人で所得税を負担するより、不動産管理会社の役員報酬を通じて、家族で所得を分散した方が、低い税率を適用できるので税負担が軽減されます。
②次に、オーナーの不動産所得が子供達の給与所得になることで、給与所得控除の適用があります。例えば、月額報酬50万円、年額600万円の役員給与だと、給与所得控除は174万円(給与収入の29%)になります。この174万円は役員報酬に対する概算経費として認められたもので、実質的な非課税枠といえます。
③最後に、相続税の面でもメリットがあります。賃貸物件が管理会社の所有となることで、今後の家賃収入は管理会社の収入になります。このことで、オーナーの相続財産の増加を抑制する効果があります。また、将来の相続税の納税資金確保を管理会社で蓄積する効果も期待できます。

不動産管理会社に向いている方

では、どのような方が不動産管理会社の活用に向いているのでしょうか。
不動産管理会社に向いているかを判断するポイントは、次の3つです。
①成人の子がいて、働いていない方(子供に収益をつけられます)。
②高収益の物件を保有している方(建物移転による所得分散の効果が高くなります)。
③売買価格(建物の未償却残高)がローン残高を上回っている物件がある方(売買金額よりローン残高が多いと、管理会社への売却時に、既存ローンの返済が必要になります)。(文責:楠)

吉祥寺(武蔵野市御殿山)で今年の9月に開業して、早や3ヶ月が経ちました。12月には、名古屋、大阪、東京で税理士向けに「国際相続」をテーマにセミナー講師を務めました。 準備が大変でしたが無事に終わってホッとしています。(楠)