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【年収の壁・支援強化パッケージについて】

2024/06/25
【年収の壁・支援強化パッケージについて】

2024年06月25日発行

パートやアルバイトで働いている人にとって気になるのは「年収の壁」ではないでしょうか。この「年収の壁」対策として、昨年10月末よりスタートした「年収の壁・支援強化パッケージ」について解説いたします。

1.「年収の壁」とは

「年収の壁」とは、扶養でいられる年収の基準、つまり、税金や社会保険料の支払いなどが発生する基準のことです。「年収の壁」には、税務上の壁と、社会保険上の壁があります。

※「106万円の壁」は2024年10月に51名以上が基準となる。

なかでも特に影響が大きいのが、106万円、130万円の「社会保険料の壁」です。この壁を境に社会保険料の自己負担が生じ手取り額が減ってしまうため、パート・アルバイトの中には、就業時間を調整して扶養の範囲内で働こうとする人が多くなっています。また、従業員の社会保険料は企業が半分負担するため、従業員が新たに社会保険に加入することは、企業にとってもコストの負担増に繋がります。

このように、「社会保険料の壁」があることで、年末などの繁忙期に従業員が労働時間を増やせず、結果として、慢性的な労働力不足を招いている現状があります。

そこで政府は、「106万円の壁」対策、「130万円の壁」対策として、昨年10月より「年収の壁・支援強化パッケージ」をスタートしました。具体的な対応策を解説いたします。

2.「106万の壁」対策

【支援策】

「106万の壁」対策をした企業に対し、最大50万円の助成がある。

【内容】

パート・アルバイトで働く従業員の年収が106万円以上になり、新たに厚生年金や健康保険に加入することになった場合、保険料負担で手取りが減らないよう、従業員の収入をアップさせる取り組みをした企業に対して、国が労働者1人あたり最大50万円の助成を行います(最大3年間)。

保険料負担で手取りが減らないような取り組みとは「賃上げ」「労働時間の延長」「社会保険適用促進手当の支給」などを指します。

3.130万の壁対策

【支援策】

 会社が従業員の一時的な収入アップを証明すれば、引き続き扶養でいられる。

【内容】

パート・アルバイトで働く従業員の年収が130万円以上になったとしても、「繁忙期に労働時間を増やす」などにより、収入が一時的に増加したものであることを事業主が証明することで、引き続き扶養に入り続けることが可能になります(最大2年間。連続2回まで)。

4.まとめ

「年収の壁・支援強化パッケージ」は、扶養の範囲内で働きたい従業員が「年収の壁」を気にせず働けるようになる環境づくりを支援した制度となっています。企業にとっても、この制度を活用することで、繁忙期における人手不足の解消に繋がるメリットがあります。

注意点として、今回の制度はあくまで時限的な措置となっているため、パッケージの各期間が過ぎた後の取り組みについては、最新の情報を確認しておく必要があります。