業務内容 公認会計士・税理士と司法書士による相続手続き

【口座振込・口座振替による支払いに係わるインボイス対応】

2023/10/31
【口座振込・口座振替による支払いに係わるインボイス対応】

2023年10月31日発行

【概要】

 インボイス制度において、買手側が消費税の仕入税額控除を受ける場合は、原則として適格請求書の保存が必要であり、保存要件を満たさない場合は、その支払いに係る消費税について仕入税額控除を受けるこができません。

《請求書や領収書の交付を受けない取引の場合》

 適格請求書の保存要件については、事務所の家賃の支払いなど、継続的な取引について、賃貸借契約書などの契約書の締結後に口座振替等により代金の支払いが行われるものの、その都度、請求書や領収書の交付を受けない取引についても、原則どおり適格請求書の保存が必要とされています。

【対応】

① 一定期間分の取引の適格請求書をまとめて交付

 適格請求書については、一定期間の取引についてまとめて交付することができることから、相手方から一定期間の賃貸料について、適格請求書の交付を受け、それを保存することにより、適格請求書の保存要件を満たすことが可能となります。

② 契約書に適格請求書の必要事項の一部を記載し、事実関係書類を併せて保存

 適格請求書として必要な記載事項は下記のとおりとなりますが、この記載事項は一の書類だけで全てが記載されている必要はありません。

 したがって、複数の書類で記載事項を満たせば、それらの書類全体で適格請求書の記載事項を満たすこととなり、契約書に適格請求書として必要な記載事項の一部が記載されており、実際に取引を行った事実を客観的に示す書類とともに保存することにより、適格請求書の保存要件を満たすことが可能となります。

 家賃等の支払の場合には、適格請求書の記載事項の一部(②と⑤以外の事項)が記載された契約書とともに通帳(取引年月日の事実を示すもの)を併せて保存することで、適格請求書の保存要件を満たすこととなります。

 また、口座振込により家賃を支払う場合についても、適格請求書の記載事項の一部が記載された契約書とともに、銀行が発行した振込金受取書を保存することにより、適格請求書の保存要件を満たすこととなります。

 なお、令和5年9月30日以前からの契約について、契約書に登録番号等の適格請求書として必要な事項の記載が不足していた場合でも、別途、登録番号等の記載が不足していた事項の通知を受け、契約書とともに保存していれば差し支えないとされています。