- 2025/01/31
- 【令和7年度税制改正(「103万の壁」関係)について】
2025年01月31日発行
令和6年12月20日、与党より令和7年度税制改正大綱が公表されました。
予定されている改正項目から、いわゆる「103万の壁」に関わる内容を解説します。
<改正の内容>
従来、「103万の壁」と呼ばれていた、配偶者や子供等を税務上の扶養として計上するための収入の上限が、103万円→123万円へ引き上げられます。
また、19歳以上23歳未満の子供等については、これまでよりも多く収入があっても扶養控除が引けるようになります。
※103万の壁とは
税務上の扶養に入るためには、所得が48万円以下であることが求められます。給与所得者の場合には、「給与所得控除」という概算の経費を控除して税額を計算することになっていますが、この給与所得控除の最低額は55万円と定められています。
このことから、給与所得者の場合には、収入が103万円までであれば扶養に入れるとして、収入を103万以下に抑えて働く、ということが行われていました。
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給与収入103万 - 「給与所得控除」55万 = 48万
48万 ≦ 扶養に入れる所得上限48万 ∴ 収入103万まであれば扶養に入れる
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【基礎控除の引き上げ】
基礎控除額が 48万円 → 58万円 へ引き上げられます。
【給与所得控除の引き上げ】
給与所得控除の最低額が 55万円 → 65万円 へ引き上げられます。
【まとめ】

【特定親族特別控除(仮称)の創設】
現行の法律では、19歳以上23歳未満の親族で扶養の範囲に入る人(所得が48万円以下)がいる場合には、特定扶養親族として63万円の控除が受けられます。しかし、その親族の所得が48万円を超えてしまうと、控除は一切受けられなくなってしまいます。
今回の改正で創設される新しい控除では、19歳以上23歳未満の親族の所得が85万円以下であればこれまで同様63万円の控除を受けることができ、85万円を超えても123万円までは段階的に縮小した控除額を受けることができることとされています。
【控除額】

<適用時期>
令和7年分以後の所得税について適用されます。
※特定親族特別控除は令和7年分の年末調整で適用できることとされています。
