- 2014/03/03
- 相続ワンポイント vol.21 : 保険契約に関する権利
相続にともなって保険金が支払われた場合には、その保険金について相続税の課税対象となりますが、亡くなった方が契約していた保険契約のうち、保険金が支払われないものについては、「保険契約に関する権利」として、相続税の対象となります。
- 生命保険契約に関する権利とは
- 生命保険契約に関する権利とは、その契約に関する権利を取得した時において、保険事故が発生していないものに関する権利をいいます。
- 具体例
- ①保険契約の締結
Aが、保険会社との間に、Aさんの妻であるBさんを被保険者とする生命保険契約を締結し、子供のCさんを保険金受取人に指定していたとします。
Aさん・・・父
Bさん・・・母
Cさん・・・子ども
②生命保険契約に関する権利の相続
ある日、Bさんより先にAさんが亡くなりました。
このとき、被保険者であるBさんに保険事故(相続)は起きていないため、まだ保険金は支払われません。
この場合、Aさんの相続人であるBさんとCさんは、被保険者であるBさんに保険事故があった時にCさんが保険金を受取るという権利(保険契約に関する権利)を相続します。これを保険契約に関する権利といい、相続税の対象となります。
なお、Aさんより先に、Bさんが亡くなった場合は、保険事故が発生しているため、Cさんに対する保険金の支払いが発生します。この場合、Cさんが保険会社から受け取った保険金は、AさんからCさんへの贈与があったとして、贈与税の対象となります。これは、生命保険契約に関する権利とは別物ですので、区別する必要があります。
- 生命保険契約に関する権利の評価
- 生命保険契約に関する権利の評価は、その保険契約を解約するとした場合に支払われることとなる解約返戻金の額によって評価します。
具体的には、保険会社に相続日時点での解約返戻金額を問合せます。
なお、解約返戻金のほかに支払われることとなる前納保険料の金額、剰余金の分配額等がある場合にはこれらの金額を加算し、解約返戻金の額について源泉徴収されるべき所得税の額に相当する金額がある場合には減算した金額によって評価します。