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アンサーズ通信 vol.5 相続人が海外在住の場合の相続手続き

2013/03/21
アンサーズ通信 vol.5 相続人が海外在住の場合の相続手続き

2013年03月21日発行

思っている以上に大変!相続人の中に海外在住者がいる場合の相続手続き
「親父の相続の時に、自分は海外駐在中だったので、相続手続きで苦労しました。」お父様のご相続について、長男の方からそのようなお話をお伺いしました。実は、相続人の中に海外で暮らしている方がいらっしゃる場合には、通常の相続手続きとは違った大変さがあります。今回は、相続人が海外在住の時に必要となる「サイン証明書」と「在留証明書」をご紹介します。

印鑑証明の代わりに「サイン証明書」が必要

相続で亡くなった方が遺言を残していない場合には、遺産をどのように分けるかを相続人(配偶者や子供等)が話し合って決めます。この話し合いのことを遺産分割協議といい、その内容を文章にしたものを遺産分割協議書といいます。

そして、遺産分割協議書には、相続人本人が同意していることを示すために、役所に登録している実印で押印し、実印であることを証明するために印鑑証明書を添付します。

相続人が海外在住の場合、この印鑑証明書の添付が問題になります。なぜなら、実印登録と印鑑証明書の発行は、住所地の役所で行うことになっていますが、海外に在住している人は住所が国内にないことから実印登録ができないからです。

このような場合には、印鑑証明書の代わりに「サイン証明書」が必要になります。サイン証明書とは、海外在住の方に対して、日本の印鑑証明に代わるものとして現地の日本領事館(大使館)で発行されるもので、申請者の署名が領事の面前でなされたことを証明する書面です。

サイン証明書を入手するために、遺産分割協議書の場合、遺産分割協議書を在外公館に持参して、領事の面前で署名および押捺し、遺産分割協議書と署名証明書を綴り合わせて割り印をします。

領事の面前で署名を行うことから、遺産分割協議書は、事前に署名をせずに持参しなければなりません。

 

住民票の代わりに「在留証明書」が必要

海外に相続人が住んでいる場合で、日本で住民票が必要になる場合には、住民票に代わるものとして「在留証明書」が必要となります。在留証明書は、サイン証明書と同様に、現地の日本領事館(大使館)で発行してもらいます。

在留証明書が必要になる場合としては、相続の際に不動産の登記を行うときがあります。

 

早めのスケジューリングが大切に

 サイン証明書や在留証明書を取得するために、想定以上に時間がかかることもあります。外国の場合、現地の日本領事館(大使館)までが遠方であることが多いので、取りに行くのも非常に大変です。そのため、相続人が海外で暮らしている場合には、早めにスケジュールを立てて、相続手続きを行っていく必要があります。

また、相続の手続きでは、金融機関ごとに印鑑証明書(サイン証明書)が必要になることが多くあります。サイン証明書や在留証明書を多めに取得することも大切です。

(文責:楠)